第5章 /全11章

もれなく、重なりなく数える

数え落とし、数えすぎ。

確率のまちがいの多くは、数え方で起こる。

硬貨を3回投げる

1回目・2回目・3回目の表裏を、枝分かれの図(樹形図)でかき出してみよう。

硬貨を3回投げる1回目・2回目・3回目がそれぞれ表か裏で、全部で8通り。表が少なくとも1回出るのは、裏裏裏以外の7通り。1回目2回目3回目表裏表裏表裏表裏表裏表裏表裏表・表・表表・表・裏表・裏・表表・裏・裏裏・表・表裏・表・裏裏・裏・表裏・裏・裏
  1. 1回目は2通り。
  2. 2回目も、それぞれ2通り。ここまでで4通り。
  3. 3回目も、それぞれ2通り。全部で 2×2×2=8 通り。
  4. 表が1回も出ないのは「裏裏裏」の1通りだけ。残りの7通りは、表が少なくとも1回出る。

予想硬貨を3回投げるとき、表裏の出方は全部で何通り?

発見枝は、分かれるたびに2倍になる。2×2×2=8 通り。樹形図なら、もれなく、重なりなく数えられる。

表が少なくとも1回出る確率は、8通りのうち7通りで 78。表がちょうど2回なら、表表裏・表裏表・裏表表 の3通りで 38。

並ぶ順番(順番を区別する)

A・B・C の3人が、くじで1列に並ぶ順を決める。

A・B・Cの3人が、くじで1列に並ぶ先頭は3通り、2番目は残りの2通り、3番目は残りの1通りで、全部で6通り。Aが先頭になるのは2通り。先頭2番目3番目ABCBCACABCBCABAA・B・CA・C・BB・A・CB・C・AC・A・BC・B・A
  1. 先頭は、A・B・C の3通り。
  2. 2番目は、先頭の人をのぞいた2通り。
  3. 3番目は、残りの1人。全部で 3×2×1=6 通り。
  4. Aが先頭なのは2通り。確率は 6通りのうち2通りで 1/3。

先頭が3通り、そのそれぞれに2番目が2通り、3番目が1通り。全部で 3×2×1=6 通り。

選ぶだけ(順番を区別しない)

4人から、くじで掃除当番を2人選ぶ。「AとB」を選ぶのと「BとA」を選ぶのは、同じ選び方だね。

A・B・C・Dの4人から、くじで2人を選ぶ選ぶ2人の組を、名前の順(アルファベット順)に書き出すと、AB・AC・AD・BC・BD・CD の6通り。AとBを選ぶことと、BとAを選ぶことは同じ選び方。Aが選ばれるのは3通りで、確率は2分の1。1人目2人目ABCBCDCDDA・BA・CA・DB・CB・DC・D
  1. 選ぶ2人を、名前の順に書く。1人目がAのとき、2人目は B・C・D。
  2. 1人目がBのときは C・D だけ。BとAは、AとBと同じ選び方なので、もう書かない。1人目がCのときは D。全部で6通り。
  3. Aが選ばれるのは AB・AC・AD の3通り。確率は 3/6=1/2。

予想4人から2人を選ぶ選び方は、何通り?

発見順番を区別するときは、AB と BA は別の場合。選ぶだけのときは、同じ場合。問題が何を聞いているかで数え方が変わる。

選ぶだけのときは、名前の順(A→B→C→D)に、前の人より後ろの人だけを枝にかくと、重なりが出ないよ。

2人を順番をつけて選ぶ(委員長と副委員長)なら 4×3=12 通り。選ぶだけなら、その半分の 4×3÷2=6 通り。

どう考えた?

5人から2人を選ぶ選び方を、友だちは「5×4=20通り」と言った。正しい?

説明の例を見る

選ぶだけなら正しくない。5×4=20 は、1人目と2人目を区別したときの数。AとBを選ぶのと、BとAを選ぶのは同じ選び方なので、2回ずつ数えている。だから 20÷2=10 通り。

数学ではどう考える?

1回目に a 通り、そのそれぞれに対して2回目が b 通りあるとき、全体は a×b 通り(積の法則)。樹形図の枝の数を、段ごとにかけ合わせたものになる。

順番を区別して n 人から r 人を並べる数を、高校では「順列」、順番を区別せずに選ぶ数を「組合せ」とよぶ。組合せの数は、順列の数を、選んだ r 人の並べ方の数でわったもの(例:4×3÷(2×1)=6)。

この章で、できるようになったこと

  • 樹形図をかいて、起こりうる場合をもれなく重なりなく数えられる
  • 順番を区別するときと、区別しないときの数え方のちがいを説明できる