第9章 /全11章

実験の値と、数えた値

実験して求めた確率。

数えて求めた確率。

この2つは、同じもの?

硬貨2枚で、1枚表・1枚裏

第4章で、「表表・表裏・裏裏の3通りだから 1/3」はまちがい、と考えた。本当にそうか、実験で確かめよう。

2枚の硬貨を投げて、1枚表・1枚裏になった割合2枚の硬貨を1000回投げたときの、1枚が表で1枚が裏になった割合の変わり方を表す折れ線。横軸は投げた回数、縦軸は相対度数。1101001000投げた回数00.51相対度数1/210回:0.20100回:0.471000回:0.50
  1. 10回投げた。1枚表・1枚裏は2回。割合は 0.20。
  2. 100回まで。47回。割合は 0.47。
  3. 1000回まで。499回。割合は 0.50。0.33 ではなく、0.5 の近くにいる。
  4. 点線は 1/2。区別して数えた4通りのうちの2通り、と一致する。

予想1000回まで投げると、割合はどの値に近づきそう?

乱数で作った結果。

発見実験の割合は 1/3(約0.33)ではなく、1/2 に近づく。

数えると、なぜ 1/2?

2枚の硬貨A・Bを投げる硬貨Aは表か裏、硬貨Bも表か裏で、全部で4通り。1枚が表で1枚が裏になるのは、A表B裏とA裏B表の2通り。硬貨A硬貨B表裏表裏表裏表・表表・裏裏・表裏・裏
  1. 硬貨Aは、表か裏。
  2. Aが表のときも裏のときも、Bは表か裏。全部で4通り。どれも同じくらい起こりやすい。
  3. 1枚が表、1枚が裏なのは「A表・B裏」と「A裏・B表」の2通り。

予想1枚が表、1枚が裏になるのは、4通りのうち何通り?

硬貨をA・Bと区別すると、4通りのどれも同じくらい起こりやすい。1枚表・1枚裏は2通りなので 24=12。実験の値(0.5 の近く)とよく合う。

発見同じくらい起こりやすい場合で正しく数えた確率は、多数回の試行で相対度数が近づく値と一致する。

実験は、数え方が正しいかを確かめる道具にもなるんだね。3通りで数えていたら、実験とずれて気づけたよ。

2つの見方をつなぐ

さいころや硬貨では、2つの方法が同じ値を指す。だから、実験しなくても「1000回投げたら、だいたいこのくらい」と予想できる。

どう考えた?

さいころを600回投げたら、1の目が150回出た。このさいころについて、どんなことが考えられる?

説明の例を見る

ふつうのさいころなら、1の目は 1/6 で、600回なら100回くらいのはず。150回は多すぎる。だから、このさいころは1の目が出やすいかたよりがあるのかもしれない。もっと回数を増やして確かめたい。

数学ではどう考える?

同様に確からしい場合の数で定めた確率 p(数学的確率)について、同じ試行を独立にくり返すと、相対度数は p に近づく(大数の法則)。つまり、「同様に確からしい」という仮定が現実に合っていれば、数学的確率は、多数回の試行による確率(統計的確率)と同じ値を指す。実験の相対度数が p から大きく離れ続けるなら、「同様に確からしい」という仮定か、数え方を疑う手がかりになる。

この章で、できるようになったこと

  • 数えて求めた確率が、多数回の試行の相対度数の近づく値と一致することを説明できる
  • 実験の結果を使って、数え方のまちがいに気づける